大人にとっても目からウロコ!フォニックスルール”magic e”について
投稿日:2025年9月1日
Hi, everyone! ナマケモノ先生です。
今日は多くの日本人が知らない(と思われる)とーっても重要なフォニックスのルールについて皆さんに紹介したいと思います。
魔法の文字 “magic e”とは?

aがア、iがイ、kがク、といった基本のフォニックスをクリアした子どもたちが最初につまづきやすいフォニックスの難関があります。例えば、likeは基本のフォニックスで読むとリケ、makeはマケと読むはずなのに、そうじゃないですよね…。きっとほとんどの大人が「とりあえず暗記」で超えてきた壁だったかと思いますが、実はこれには共通したルールがあるんです。その名も”magic e”。まずは下の単語に注目!5つの英単語は、おしりに’e’を付けるとどのように発音が変化しているか、説明できますか?
最後に’e’なし 最後に’e’あり
aの場合:tap(/tæp/タップ) → tape
eの場合:pet(/pet/ペット) → Pete
iの場合:fin(/fɪn/フィン) → fine
oの場合:not(/nɒt/ノット) → note
uの場合:cut(/cʌt/カット) → cute
便宜上カタカナでも発音を書いていますが、実はこれ、短母音(a, e, i, o, u)の後ろに「子音+’e’」が付くと、’e’が前の母音の音を長母音に変えるというルール。
?? なんのこっちゃ???と思った方。大丈夫です(笑)私も書きながら分かりにくいなと思いました(笑)
それでは子どもたちに説明するようにかみ砕くと、最後の’e’は自分の前にいる母音に「君たちは自分の「音」じゃなくて自分の「名前」を言え!」という魔法をかけた後、自分の姿を消す、というもの。ここでいう「名前」とは、aはエイ、bはビーというアルファベット名ですね。
上の例で言うと、tapのaはもともとの「/æ/ ア」という音がアルファベット読みの「/eɪ/ エイ」という音に変わり、eは自分の音を消すのでtape「/teɪp/ テイプ」という発音になります。Peteは「/piːt/ ピート」、fineは「/faɪn/ ファイン」、noteは「/nəʊt/ ノート」、cuteは「/kjuːt/ キュート」といった具合です。最後の’e’の音は発音しないことから別名”silent e”とも呼ばれていますが、私は”magic e”のほうが子どもの食いつきがいいのでこの呼び方を使っています。
大人だと言葉で説明してある程度理解してもらえますが、子ども相手となるとなかなか苦戦します。そこで役立つのが画像や動画です。下の動画は’magic e’が実際に魔法をかけて文字の音を変えている様子を見せてくれているので、子どもたちにもよく伝わります。
‘Magic e’の練習方法
最初はなかなか手ごわい’magic e’ですが、このフォニックスのルールにはとても楽しい練習方法があります。マジックという名前を上手に取り入れ、’magic-e wand’(マジックEの杖)というものを使う方法です。
私が実際にレッスンでやるときは、黒板に最後の’e’が抜けた単語をたくさん書き出して、子どもたちにお手製の’magic-e wand’を語末にあてさせながら発音の変化を意識させる練習をします。同様にフラッシュカードに’e’が抜けた単語を書き、グループごとに子どもたちが語末に杖をあてて発音させることもあります。手順としては以下のようなやり方です。
Step 1: ‘e’が付いていない状態の単語(例 sam)を子どもたちに発音させる。
Step 2: magic eの杖を使って単語末に’e’を付け、杖で前の母音(例 a)に魔法をかけるしぐさをしながら、その母音のアルファベット名(例 エイ)を発する。
Step 3: ‘e’を付けた状態で一文字ずつ新たに発音させる。最後の’e’は姿を消す(発音しない)ので、口にチャックを閉めたり、口をふさぐようなジェスチャーを見せる。
このように視覚的に分かりやすい方法で練習することで、子どもたちは楽しみながら’magic e’の「魔法」について学ぶことができます。一度に全ての母音の変化を練習すると混乱してしまうこともあるので、一文字ずつ導入してもいいかもしれませんね。

こちら方法は、おうちでも十分再現可能です!
インターネットで”magic e practice”などと検索すると無料でたくさんプリントが出てきます。それを印刷し、上の写真のような’magic-e wand’を自分で作ればいいんです。もちろん、単語リストも手作りで作成してもOK。
この練習にかぎらず、フォニックスの練習をするときに意識してもらいたいのが、「単語を発音できれば十分!」ということです。決して欲張って「単語の意味も合わせて覚えさせよう」としないでくださいね。フォニックスはあくまで知らない・初めて見る単語でも発音できるようにするための学習法です。「文字の読み方のルール」に気づくための練習ですので、単語の意味が分からなくても大丈夫!読める単語が増えれば自然と意味も分かるようになりますよ 😉
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!フォニックスのルールを知っているのと知らないのではその後の英語の読み書き能力に大きな差がつきます。今回ご紹介した’magic e’は子どもたちにとって分かりにくい、でも超頻出のフォニックスのルールです。 残念ながら’have’ ‘one’ ‘are’のようにこの規則が当てはまらない例外も一部ありますが、頭の片隅に入れておけばきっといつか初見の単語が読めるかもしれません。ぜひともおうちでもお子さんと一緒に確認してみてくださいね 😀
それでは、See you next time! 🙂